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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「フランシス・ハ」
でも愛は愛でも、友情は友愛、男性とは恋愛。彼女たちは同性に恋するレズビアンではないはず。友情とは、人生を共に歩むのではなく、それは恋愛相手。親友は別々の道を歩みながら、別の場所で支え合い心の拠り所にしていくもの。だと私は思います。その違いをソフィーは理解していて、フランシスは混同していた。一流の編集者になる夢を捨てて、恋人を支える事を選んだソフィーも、ダンサーの夢を追いかけ続けるフランシスも、27歳の女性として、私は両方ありだと思います。
行き当たりばったり無計画で、手を差し伸べる人にも、夢の為には嘘ついて丁重にお断りするフランシス。時間もお金も無駄使いじゃん、とハラハラします。でもどっこい生きている。無鉄砲なのに何とか衣食住を得ていく姿は、逞しささえ感じ、自分の人生を逃げずに向かっていく彼女に、元気を貰えます。
紆余曲折を経て、彼女が選んだ道を見せてくれる終盤では涙が止まりませんでした。孤独を感じる時はあっても、孤独ではないフランシス。思えば傷心を癒してくれる親兄弟がいて、彼女を心配してくれる恩師、友人たち、そしてソフィー。若い人には人生上手くいかなくて、どうしようもなく孤独な時は、この作品を思い出して欲しいです。
多分ね、大人になったんじゃなくて、成長したんだと思うのです。そう思いたい。だってフランシスが大人になったら、面白くないもん(笑)。私もこの歳になっても、自分が大人かと問われれば自信がありません。多分また夕食二日分作って映画観るだろうし(笑)。バッカだなぁ・・と思うけど、私はそんな自分がちょっぴり好きです。世界中のフランシスも、自分を好きでいて欲しい。最後に明かされる「フランシス・ハ」のタイトルの意味に、まだまだ発展途上の彼女の未来が、前途洋洋である事を祈らずにはいられませんでした。27歳は若いんだよ。デヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」の流れる中、馳走するフランシスと一緒に駆け出したくなる作品です。
10月12日(日)
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