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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「イン・ザ・ヒーロー」
改心して成長していくリョウ。ここまででも充分楽しませて貰っていたのに、ここから怒涛の展開に。CGやワイヤーなしの鬼畜なアクションシーンを要求するスタンリー・チャン(イ・ジュニク 本物の韓国の監督)に恐れをなした香港のスター俳優は役を降り、白羽の矢が立ったのは、本城でした。これがもぉ〜、本当に浪花節なんですが、もうここから涙が止まりません。皆が止める中、吾郎だけが本城の気持ちがわかると言う。誰の為でもなく、自分の為に引き受けるのだと言う本城。
本城の設定は唐沢自身と重なる50歳前後の年齢設定だと思います。彼を観ていると、夢をあきらめない人生の、何と豊かな事かと羨ましく思いました。諦めないから、希望がある。いい年なのになんて、全然思わない。だって彼は努力し続けているんだもの。愚痴やぼやきがいっぱいで、口先だけで御大層な事言う人とは、真逆な人なのです。自分が輝く事で、周りも照らされる。人生のおいての理想だと思います。
ラストの長時間のアクションシーンは圧巻。実際には長回しではないし、CGも使っていますが、どっぷり本城及びアクション俳優たちにのめり込んで観ているので、全く気になりません。それどころが、こんな気合の入ったアクションは久しぶりです。正に全身全霊と言う言葉がぴったりで、例え唐沢寿明にスタントを使ったとして、私に感動をもたらしてくれたのは、作り手一丸となった、チームワークの賜物です。映画はチームで作るものなんだよね!
愛想を尽かし切れなかった妻子の描写も良いです。和久井映見の奥さんは、桂春団治の女房みたいでした(笑)。妻が本城を見限れなかったのは、本城の夢は趣味ではなく、命がけの男子一生の仕事だったからだと思います。和久井映見に感激した人は、そこんとこよろしく。
チャン監督は、何度も「映画は監督のものだ!」と言いますが、あれは皮肉でしょうね。映画はお金を出すプロデューサーのもんと言うのは、定説です。。プロデューサーの一声で、内容まで変わってしまう。ディレクターズカット版なるものは、一種の仇花的なもんですかね?それでも良い作品を作るのが、作り手さんたちの、腕の見せ所でしょうか?
「HAC」と言うのは、千葉真一が主催していた「JACK」をもじっているのでしょうね。真田広之、志穂美悦子、伊原剛志が在籍していましたが、今では演技派として名を馳せていても、アクションはないなぁと、少し寂しかったり。年齢的なものもあるでしょうが、後続の役者さんは続かなかったようです。何故なのかな?そこもちょっと寂しいですね。
体中の血が活性化されたようで、モリモリ元気になりました。本当はね、リョウの背景なんか説明不足で、省いても良いような安っぽいもんです。それでもその安さまで感動に置き換えさせて貰ったんだから、問題なし。やっぱり映画は人生に夢と希望を与えなきゃ。高校生の時読んだ淀川先生の著書で、「映画をたくさん観て感受性を磨き、自分の人生に生かしなさい」との記述は、私の一生の宝物です。これからも作り手さんに負けないよう、私も一生懸命映画を観たいと、改めて誓いました。熱くなったもん勝ちの作品。
09月09日(火)
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