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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「アデル、ブルーは熱い色」
寂しさからアデルはどうしたか?これもジュリアン・ムーアと同じ。しかし相手が男性だと言うのは、私は最低限の相手への礼節だと思ったのですが、これは違うのかしら?事がわかり、売女とアデルを罵るエマ。取り付く島もありません。号泣して謝るアデル。深々とアデルの寂しさが伝わってきたので、許して上げて欲しいと思いましたが、願いかなわず、二人は別離へ。このシーンは本当に辛くて哀しくて。二人共本当に相手を愛しているのに。エマの泣き叫ぶ様子は、ずっと凛々しくカッコ良かった彼女が、唯一女性らしい悋気を爆発させる様子がみっともなく、しかしそのみっともなさに共感して、またこちらも泣けてきます。

私が一番官能的だと感じたのは、三年後のカフェでの再会のシーン。捨て身で復縁を迫るアデルに心惹かれるも、現在のパートナーに悪いと、断るエマ。キスや抱擁だけで情念を表現する濃密なシーンに、ため息が出ます。これと並ぶシーンは、ちょっと思い当たらないなぁ。

アデル・エグザルコロブスは今回始めて観ましたが、撮影当時まだ19歳。ヌードシーンもたくさん、おまけに恋人は女性という難しい役ですが、とにかく自然で素晴らしい演技。恥じらいの乙女心から燃え盛る女の情念まで、余すところなく私に届けてくれ、すっかりファンに。ふっくらした頬が愛らしい彼女ですが、次に会うときは、大人の顔になっているかも。いつもは女子力満点のレアも、まるで宝塚の男役のようなカッコ良さで、こちらにも心酔しました。とにかく二人の頑張りに拍手を送りたいです。

これほどときめき、切なくて、あぁ良い恋愛映画を観たと満足しきれるのですから、愛にヘテロもゲイもないのだと痛感します。最初は三時間と言う上映時間に怯みましたが、問題ありませんでした。是非この大恋愛映画と格闘して、心地よく疲れて下さい。

04月11日(金)
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