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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「イノセント・ガーデン」
インディアとエヴィとチャーリーの関係に、終止符をつけたのはインディアでした。どこに向かうのか、このお話と思っていましたが、これは当たりました。兄から引導を渡された時のチャーリーの反応は、まるで子供でした。それから彼の精神は、多分成長していなかったのでしょう。孤独はもう嫌なのです。世界でたった一人、自分を理解してくれるインディアに、彼が執着したのは理解出来ます。対するインディアは、孤独ではなかったのです。彼女の最愛の人は、どこまでも父親。そして母を憎んでいたのでもありません。一見全く同じ性癖に見える叔父と姪は、実は違うのですね。チャーリーもインディアの愛を乞うていたと思うと、またまた切ないもんがあります。
お金持ち風のお屋敷や庭の様子がセンスよく、やぼったいルックスのインディアとの対比となっているのかと感じました。プロデューサーはリドリー&トニーのスコット兄妹で、彼らの意向があったのでしょうか、これがチャヌクか?と想う程、洗練されて美しく、かつ幻想的です。同じ脚本で韓国で撮ったなら、きっと過剰な演出で、必ずどこかに情念を入れちゃうはず。そうすると、この酷薄な美的感覚や官能性は台無しだったはずです。個人的には、大成功なハリウッドデビューだと思いました。
06月13日(木)
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