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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「セデック・バレ 第一部 太陽旗」
この戦いはセデックの敗北に終わると、観る者は知っています。彼らの伝統も首狩りと言う野蛮なもので、時代の波と共にいずれは滅んでいくのは、今の感覚では承知出来るものです。しかし刺青の意味、勇者としての心得、集落を守る強い気概など、彼らの文化を丹念に描いているので、モーナの「文明に屈服するのか、野蛮の誇りを持ち続けるのか」と言うセリフが、民族の誇りの意味を理解させ、深く心に刻まれるのです。

その他、日本人に帰化したセデック族の青年警官たちの葛藤、他の集落の頭目たちの、それぞれの集落を守る考えの違いを映し出し、単に統治する日本人とセデック族の戦いにせず、ドラマに厚みを与えています。

撮影はジャングルのような渓谷や滝も多く、荘厳な雰囲気を醸し出しています。モーナと亡くなった幻の父親との輪唱場面が、幻想的で力強く、かつ非常に美しく、もう一度聞きたいです。

一部は霧社での暴動で終わりました。後半は安藤政信の良心ある警官がキーパーソンになると予想していますが、どうかな?二部は14日に観る予定です。あぁ早く観たい観たい!この作品は反日映画とされ、公開が危惧されていたそうですが、毎年行われている大阪でのアジアン映画祭では、観客賞を取ったとか。内容を誤解せず公開に尽力して下さった方々に、心より敬意を表したいです。日本人の民度の高さをも表す劇場公開です。

05月11日(土)
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