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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」
こうなると、もういけない。当時のヨーロッパでは、どうもデンマークは近隣諸国が啓蒙思想で改革されていたのに、遅れを取っていたようです。ストルーエンセによって、お飾りだった王が、しっかり自分の政治的思想を発言する場面は、ちょっとした感動でした。ストルーエンセの改革は、予防接種に農民の開放、書物の検閲を無くす等、皆優れたものです。しかし庶民に自分たちの不倫が知れ、揶揄する書物が溢れると、たちまち検閲を復活。王をサポートするはずが、自分が実権を握るや、王は置いてけぼりで、またバカ扱い。結局は以前の王の周囲の人々と同じになるのは、似た境遇の多くの権力者と同じ末路で、何とも皮肉。改革の仕方も急速過ぎで、あれでは反感は買うでしょう。結局ストルーエンセは思想家であっても、政治家ではなかったのだと思います。
マッツは相変わらず素敵で、若い王妃が好きになるのも納得ですが、今回はストルーエンセが好きになれず、残念でした。アリシアは可憐な新婚当時から、威厳も感じる王妃なる様子は、若くして嫁いだ姫の、自我の目覚めを表現していて良かったです。特筆はフォルステゴー。病んだ王の孤独と哀しさをくっきり浮かび上がらせて、私の感想は彼の演技に引き出されたもんです。確かこの演技でベルリンで賞を取ったと思います。
とまぁ、メロドラマ部分が私には全然ダメだったのが痛恨。歴史劇としては、端正にしっかり作りこんでおり、見応えはあります。この不倫劇は、デンマークの人なら誰でも知っているレベルのものらしく、この描き方でも様々な感想を呼んだ事だと思います。しっかし、王宮・貴族ものは不倫が多いよな。大昔のやんごとなきお方たちは、シモの方はゆるいようですね。
05月05日(日)
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