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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ボクたちの交換日記」
甲本の娘に言わせた的外れのセリフには、私もカチンときました。その後の田中の怒りを見て、そういう伏線だったのかと、納得。いやウッチャン、お見逸れしました。原作にもあったのかな?二人共糟糠の恋人(長澤まさみ・木村文乃)と、ちゃんと結婚していて、この辺二人の人柄の良さが出ています。長澤まさみはまるで菩薩様のようで、ちょっと出来すぎじゃないの?とも思いましたが、キャバクラ勤めで、男を見る目が出来ていたんですね、きっと。うん、そういう事にしよう。才能がない悲哀を味わった甲本ですが、けじめの付け方の全うな男らしさは、彼には平凡という「勲章」が似合うのだとも感じました。

主役二人は、伊藤淳史は演技巧者として認識していましたが、初めて小出恵介が上手いと感心しました。たくさん彼の作品は観ているのですが、どれもそれなりで、彼自身のキャラ優先に感じましたが、今回は私的には100点上げてもいいくらい、甲本の人柄や苦悩が、直球でこちらの届いてきました。きっと二人にとって代表作になると思います。

お笑いとコンビとして歩いた二人は、その後違う人生を歩みますが、それぞれが天分にあった人生を、精一杯歩んだのだなと感じ、最後まで涙が出ます。お笑いの裏側の詳細な描写は、表側から伺い知れぬ厳しさで、その辺も興味深く観られます。お笑い芸人とは、笑われる人ではなく、笑わせる人が本物なのだなと痛感しました。前半はクスクス笑えるコメディ調で、後半は滂沱の涙の作品。でもとても爽やかです。お金を使わなくっても、日本のサブカルを題材に、こんなに見事に映画に出来るんですよね。堂々の青春映画でした。

04月04日(木)
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