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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ゼロ・ダーク・サーティ」
受賞後ビグローが選んだのは、やはり彼女らしい題材の今作でした。男性社会のハリウッドに生きるビグローが、同じ環境のマヤに自分の信念とも言える、何があっても後退せずの気持ちを投影したと感じるのです。

ビン・ラディン邸襲撃の様子は、正直これもテロと同じだと感じます。無関係な人が何人も死に、怯えまくる女子供。目には目、歯には歯は、結局同じ次元に落ちるという事なのでしょう。

ビン・ラディン殺害確認後、「これはあなた一人のための飛行機だ。どこへ行く?」と聞かれ、虚脱感に包まれ涙するマヤ。「ハート・ロッカー」のラストで、見事な男心の本質を描いたビグローですが、今作では「鉄の女」に成り果てたマヤに、本来の繊細な女性としての感情を表すため、泣かせたのだと思いました。全編出ずっぱりのジェシカですが、これでオスカー逃がしたらどうしたらいいのか?言うくらいの力演・熱演です。是非オスカーを取って欲しいと思いました。

賛否両論の作品ですが、見終わった後の感想は、アルカイーダとCIAは、壮大な同じ穴の狢、これが私の感想です。そのために多くの人々が犠牲になる痛ましさを、強く感じました。決してCIAのプロパガンダ映画では無いと思います。

02月20日(水)
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