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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「おおかみこどもの雨と雪」
雨と雪は、自分たちの出自に対し一切の不平を母には言いません。これは綺麗事ではなく、この母に育てられたなら、当然だと思いました。「あなたたちを愛している」。全身で温めてくれる母に、生まれた事を感謝こそすれ、ネガティブな気持ちは湧かないのでしょう。夜中に存分に遠吠えさせてやりたいための田舎暮らし。雪山で本能にまかせ狼の姿になって駆け回る母と子供たちの姿は、如何にはなが、いつもいつも子供たちに何が大事か?を考えているシーンだと、私の目に、感動的に焼き付いています。
利発で明朗、お転婆な雪と、引っ込み思案で思慮深い雨。しかしその様子も、保育園、小学校、そして中学。思春期に差し掛かり、段々と別の様相を呈してきて、明確な心の変化が表れ、二人は別々の道を歩もうとします。「あなたはまだ10歳なのよ!」と、雨に叫ぶははの声が今でも耳に残ります。ここで号泣しました。まだまだ10歳、母親としてはしてやりたい事がいっぱいある。しかし、子供は違うのです。自分の道は自分で選ぶ。狼として生きるか人間として生きるか?人間であるはなにすれば、答えは決まっているはず。しかし離れて行く年齢になった子供に、自分の意見を押し付けず、選択を任せるはなを、私は母親として、本当に立派だったと思います。このはなの姿は、私を含む全ての母親が肝に命じたい事です。
人と異なる形で生まれでた子、「普通」と言う道から外れてしまった道を歩む子を得たら、親は当惑し不安になって当然です。その時、この作品を思い出して欲しいです。大事なのは、性別や人間や狼ではなく、「私の子供」であると言う事です。子供は親を選んで生まれるのだと、私は思っています。その責任をしっかり自覚したいですね。
07月26日(木)
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