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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「昼下りの情事」
オードリーは当時28歳。でも20歳前後にちゃんと見えちゃう。鼻にかかった甘い声も可愛らしく、グラマラスな美女ばかりの往年のハリウッド女優の中、今思えば彼女は超個性的なはずなのに、「痩せっぽちさん」は楚々として可憐なのに、何故か堂々の風格が備わっていて、これがその人が生まれ持っている品格なのですね。
ラストの列車のシーンは、昔はどうなるんだろう?とドキドキしただけだったんですが、今回はその切々たる乙女心に思わず涙が出ました。アリアーヌにとってフラナガン氏は、「恋しい」人で、愛している人ではありません。「パパ、愛しているわ」は、彼女が愛しているのはパパだけと言う事でしょう。男女の愛はすぐに愛が始まるわけじゃなく、恋して愛するものだと思う。フラナガン氏もアリアーヌとなら、もう一度女性を愛せるかも?と思ったんでしょうね。パパの願いと異なる幕切れにも、笑顔を見せるパパ。誰よりも愛する娘でも、娘の人生は娘固有のもののはず。あの心からの笑顔には、父親の娘への信頼の深さが感じられ、私も親として教えられました。
若い時より何倍も深まった鑑賞が出来た気がします。若いときの感受性って、瑞々しいけれど、結構貧しいものなのかも?自分の人としての成長もちょっと感じられる嬉しい再見でした。
07月06日(金)
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