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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ヤング≒アダルト」
メイビスの痛い描写の最大シーンが、生誕パーティーをぶち壊す場面。上に書いた流産の件をここで持ち出すのは後だしじゃんけん的で今更感があります。ここで学生時代と同じく、自分はみんなの憧れの的だと思い込んでいたのに、実はかわいそうだと情けをかけられていたとやっと知り、落ち込んだメイビスはマットに逃げ込む。

逃げ込んでどうするかと言うと、セックスを迫る。戸惑いながらも学生時代の憧れの君からの誘いに応じるマットと言うのはわかる。だけど彼、身障者なのよ。まともに射精が出来ないと言うセリフもあったのよ。愛もへったくれもなく、今相手してくれるのがマットだけだったから彼を選んだだけ。メイビスの気を落ち着けるためだけのセックスと言う描き方には、私は嫌悪感を感じます。

昔からメイビスの信奉者だったマットの妹から、皆がバカであなたは正しい、今のあなたのままが素敵と言われて、勇気百倍のメイビス。己を美化した小説の独白が流れる中、実際は事故ってポンコツの車で、颯爽と故郷を後にするのでした・・・。えぇぇぇぇ!パーティー台無しにして、親に赤っ恥かかせて(パーティーにいた)、フォローは一切なし?励ましてくれた彼女の「私も都会に連れて行って」はすげなく断り、マットに至っては眠っていたのをいい事に黙って帰る。マットの気持ち、踏み躙りまくり。多少の反省や成長があってもいいんじゃないの?徹頭徹尾それはなし。勘違いの痛い女でこれからもOK!って、どういう事?

これどっかで観たことあるなぁと思い出したのが、トット・ソロンズの「ウェルカム・ドールハウス」のヒロイン、13歳のドーンちゃんです。ドーンちゃんはブスで性格悪く学校でイジメられ、家でも妹に一心に愛を注ぐ両親は、彼女なんかお構いなし。しかしドーンちゃんは負けない。根拠のない自信を元に、無理目の男子に猪突猛進で迫る迫る。何があっても決してあきらめないんだな。この子も相当痛いけど、超のつく根性はとっても爽快でした。この子も反省の色全くなしでしたが、まだ13歳のみにくいアヒルの子ですよ。成長して周りが見えて、白鳥になるかも?と言う期待が希望に感じたんです。

対するメイビスは、元が白鳥で、今ではみにくいアヒルの子。年も37歳。どこをどう見て、「ありのままのあなたでいいのよ」が出てくるの?どこか成長や救いがないと、この手の話はまとまらないと思うんだけどなぁ。ヒョーロンカ諸氏と一般人の感想は乖離しており、パンピーは私のように感じる人も多いみたいです。この乖離はどこからくるのか?

唯一の救いは、セロンの好演。色んな作品、様々な役柄を演じ、常に挑戦する姿は本当に素敵です。今回も好演でした。でも年食った痛いゴージャス美女なら、キャメロン・ディアスなら、もっとユーモラスに思えたんじゃないかと。あの最後も、まぁキャメやんなら仕方ないかと私的には思えます。元々の役者の持つキャラって大事ですよ。セロンは決してカメレオン女優ではないですから。今回は痛々しさが過ぎて、重く感じたのが「痛かった」です。

唯一良かったのは、自分とバディの思い出の曲だと信じていた曲は、妻もそうだったこと。嬉しそうは夫婦のアイコンタクトに悔しさを滲ませるメイビスは切なかったです。しかし挽回しようとしたメイビスは、「昔フェラの時、この曲がかかっていたわよね」ですと。やっぱ私、脚本のコディが一番嫌い!

02月27日(月)
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