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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「幸せパズル」
さてこの後のマリアの選択は?これが私にはとても残念な結論でした。せっかく誰かの妻・母である以外の自分を見つけたんでしょう?導いてくれる人にも巡り会ったんでしょう?私を含む多くの主婦は、主婦としてではなく、自分自身の人格を家族に認めて欲しいはず。これからの積み重ねが、その絶好のチャンスだったのに。何故彼女がそう選択したのか?それは「あの出来事」のせい。マリアは賢い女性なのでしょう。だからこの選択になったのですね。なので、どうして勢いに任せてあんな事したの?と、私は残念でなりませんでした。

マリアはロベルトの存在を隠していました。一人で大会に参加することになっていた。確かに練習とは言え、男性と二人きりの状況は言い出しにくいです。でも私ならこの時点で、まず家族の了解を得ます。スタートがまずかったのですね。これが欧米や日本の作品なら、違うマリアの姿が描かれていたはずだと思うと、アルゼンチン女性は未だに、愛されているのなら篭の鳥で結構だと言うのが、世間一般の感覚なのかと、思い至りました。エンディング一人でピクニックをするマリアの姿は、元の世間知らずの女性には戻れない姿を表しているようで、無性に切なくなるのです。

主婦の変化や成長は、時として家族には脅威になるものです。でも充実して豊かな毎日を送っている妻・母の姿は、家族にだって嬉しい事のはず。やがてはその事を尊重してくれるものです。主婦の方も家族には私が必要だ、夫や子供に愛されていると言う自覚と気概を忘れずにね。そうすれば、家庭の平和と自分の成長は両立出来るはずです。もしかすると、それを主婦に教えてくれる作品だったのかもしれません。

10月29日(土)
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