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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「フィクサー」
じっくり陰影を刻んで登場人物を描いた後は、巨大な会社の影の部分が暗躍し、お馴染みの展開になって行きます。敵役のカレンの焦燥感や、いっぱいいっぱいの心のキャパなどを丹念に描きながら、実行する配下の人間の冷徹ぶりは、とても良い対比になっています。こう言う場合は、誰が命令したか?が、とても重要なのだと描いています。

全てを知ったマイケルは、どう出るか?じっくりマイケルという男と付き合ったラストのオチは、ほとんどの人がわかったと思います。マイケルの取った行動は、息子ヘンリーに恥じない父親になりたかったからではないでしょうか?彼自身、不甲斐無い父親であるとの思いがあったでしょう。しかし離婚してからも交流を絶やさない父子。ヘンリーは父を慕っています。従兄を例に出して、ヘンリーに言って聞かせたことは、あれはマイケル自身が自分に言い聞かせていたのでしょう。あの時から、マイケルの腹は決まっていたのじゃないかと思います。

アーサーが年甲斐もなく恋した平凡な娘、息子への愛、ヘンリーとアーサーが感銘を受けた赤い表紙の児童小説、そして馬。彼らの良心を目覚めさせた、他人にはわからない、その人だけの思いがいっぱい詰まった物や人。そのお金では計れない価値を、形として立証したのが、「正義」であったと私は感じています。

04月17日(木)
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