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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「いのちの食べかた」
さてヒヨコなんですが、大阪では縁日のことを夜店と言い、昔は「ヒヨコ釣り」なるものがありました。選別された雄のヒヨコを、黄色のカラースプレーで可愛く元気に見えるようお化粧して、まーるい箱にいっぱい入っているのを釣るんです。釣ると一匹もらえるのですが、うちの夫は中学の時、それを釣ってきて、毎朝5時に「コケコッコー!」と鳴くまでに大きくしたのだそう。温度調節やら、育てるのは難しいヒヨコをそこまでにしたので、夫は得意満面で、ピー助かピーコか、名前までつけ、ペットのように可愛がっていたそうです。
しかし家を勝手に出て行っては、近所の軒先の植木をひっくり返したり、早朝に鳴くしで、近所では顰蹙ものだったとか。家族も迷惑していたそうですが、夫一人、大事に育てていたんだとか。
それがある日学校から帰宅すると、ピー助がいない。そして晩ご飯はサムゲタン・・・。「あの日から一ヶ月はオカンとは、口利かんかったわ」。大人になった今では、亡き姑の気持ちもわかると言うものの、当時夫は本当に哀しかったんだとか。
サムゲタンの一番の高級品は、烏骨鶏という品種を使ったものです。烏骨鶏の飼育は、広い場所での放し飼いが基本で、いわば毎日健康に育った鶏です。生まれた時から身動きできない場所で、人間の口に入るため餌だけ与えられたブロイラーたちと比べると、ピー助の一生は、それなりに幸せだったんじゃないかと、この作品を観て思い出しました。
04月13日(日)
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