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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ウリハッキョ」
私の映画日記を長くお読みの方は、もう私には疑問がいっぱい噴出しているのがおわかりだと思います。私たち在日の役割は、「日本社会から在日を守る」のではなく、「日本社会に溶け込み、永久に日本に住み続ける在日の存在を理解してもらう」だと、私は思っています。在日が一番嫌う侮蔑の言葉は、「国へ帰れ」だと思いますが、この作品を観て、素朴に何故この人たちは北朝鮮へ帰国しないのだろうと思います。答えは簡単、「暮らせないから」です。

地上の楽園と言われ、帰国した多くの同胞の悲惨な末路を、この子たちに大人は教えているのでしょうか?それともそれは韓国政府や日本の作り話だと思っているのか?北朝鮮の教育を踏襲して日本で生きる彼らに、祖国である北朝鮮の数々の報道を聞き、何を思い感じるか?その視点がなければ、このドキュメントの価値は半減以下のものになります。描かれるのは、ただただ熱い祖国への想いです。

朝鮮学校は各種学校扱いで、それをあたかも日本政府の差別のように描写しているのも、疑問があります。これは当たり前のことではないでしょうか?同じような中華学校やアメリカンスクールも、各種学校扱いです。何故かと言えば、授業が文部科学省の教育指導に沿った内容でないからです(アメリカンスクールについては、2003年度より若干の変更有。詳しくはここ←をクリック)。約10年前から、各種学校扱いでも高校総体や全国大会に朝鮮学校の生徒も出場できるようになったのは、真面目にスポーツに励む生徒たちへの配慮であるように、私は思います。この辺は地道に暮らして信頼を勝ち取った親世代のお陰であるだろうし、素直に教育機関に感謝してもいいことだとも思いました。ちなみに大阪にはやはり民族教育に力を入れた、韓国系の金剛学園と健国という幼稚園から高校までの学校がありますが、日本政府の指導に沿っていますので、私立の学校として認可されています。

監督のナレーションで、「北朝鮮政府は朝鮮学校にたくさんの援助をしているが、韓国政府は何もしていない」と入り、それがこの学校に携わる人々の韓国アレルギーの根源だとも言いたいような口ぶりです。そんなこと当たり前です。私は大阪の朝鮮学校に入ったことがありますが、堂々と玄関には金日成の写真が掲げてあります。通っていた子に聞いた話では、正に金日成のことは神格化して教えていたと聞きました。その教育内容で、南北を分断した朝鮮戦争も一方的な教え方をしているのに、どうして韓国政府が援助する義理があるんでしょうか?

監督は長く子供たちと接し、きっと情が移ったのでしょう。それほど「監督、これウォン・ビンに渡して!」とプレゼントを渡す子、あの万峰号の甲板で「監督〜!行ってきまーす!」と満面の笑顔で絶叫する子供たちは、本当に素直で良い子ばかりです。その周辺の大人たちも善人であることは間違いないでしょう。朝鮮学校の光と影を、まぶしい子供たちの青春と日本社会からの抑圧と映すこの作品は、もしかしたら太陽政策の一貫として、韓国政府に利用されたかも知れないなと、感じました。

私たち在日の未来は、日本社会の中にこそあると思っています。二つの世界観を持つ私たちは、両方の国に貢献出来るはずです。学校で得た祖国の言語や、儒教の良き精神を身に付けたあなたたち。どうぞその力を発揮して、小さな小さな在日社会で在日を守るだけはなく、もっともっと大海に羽ばたき、日本社会に溶け込んで下さい。それがあなたたちの大好きな、親兄弟や祖父母を守る事になります。私はこの事を彼らに、節に望みたいです。

11月21日(水)
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