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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「スターダスト」
しかし何と言ってもこの作品の最大の功労者は、ファイファーとデ・ニーロです。二人の大ベテランが、何と愉快なことか。ファイファーはまるで自分のセルフパロディのような美に執着する魔女なのですが、若返ったのはいいものの、ひとつ魔法を使えばひとつ逆戻りする自分に嘆く姿が笑えます。ただ笑えるだけじゃなくて、女心は灰になるまでだと、つくづくと思わせてくれます。まだ後5年は充分美女でやっていけそうなファイファーが、一つ女の階段を降りたんですね。楽しんで老婆を演じている様子は、女に執着せずに堂々として見え、とっても爽快でした。デ・ニーロも凶悪なキャプテン、実は心優しい中年男を演じて、とっても楽しそう。言葉の重みや懐の深さと、「とある趣味」のギャップを楽しんで観られるのは、デ・ニーロが演じるからこそです。この二人の余裕の演技ぶりは、このやや平凡なファンタジーを大幅に格上げしたはずです。
お伽話らしい教訓もあり、きちんと道徳的にもかなう作りになっています。時間も二時間少しですし(ファンタジーは長いのが多くて私はいや)、良質の全年齢に対応する作品として、太鼓判でお勧めします。とっても気持の良い作品ですよ。
10月29日(月)
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