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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「プラネット・テラー in  グラインドハウス」
私はロドリゲスがハリウッドで認められた「エル・マリアッチ」も観ています。彼の作品は全てにおいて、バイオレンスが炸裂する中のユーモアの間合いや、緊張走る場面の妙な脱力感に独特の個性があり、何と言うか、日本のラテン・大阪人の私には、非常にチャーミングに感じるのですね。これはラテン繋がりか?ファミリー向けの「スパイ・キッズ」シリーズもヒットさせているし、結構器用な人でもあると思います。

出演者は女性陣の奮闘が光ります。マッゴーワンは、劇中タランティーノに「エヴァ・ガードナーに似ている」と言われますが(ちょっと藤あや子にも似ている)、このクラシックな美貌が意外と片足マシンガンにはまるのだなぁ。ゴーゴーーシーン、ひょこひょこ義足(マシンガンの前はただの木の棒)で頑張って歩いたり、レイプしようとする奴をぶっ飛ばしたり、可憐で切ない女心の涙を流したり、ムーディなエッチシーンも見せた後での片足のヒロインのマシンガンぶりは、最高にクールでした。私は一生この人を贔屓にしたいと思います。

ちょっとへザー・グラハムに似たマーリー・シェルトンもなかなか健闘していました。(↓)アイメイクが崩れて、目の周りも真黒にしながらも、キュートでお色気のあるところが、最大限に生かされていたと思います。手首の骨折した時の演技が楽しく、コメディも向いているかも。


男性陣もみんな良かったですけどね、私はこの作品の前にフェイクの予告編「マチェーテ」の主演の、ロドリゲスの従兄・ダニー・トレホが一番カッコ良かったです。久し振りに観るマイケル・ビーンは、年齢からするとちょっと老けてたかなぁ。ブルース・グリーンウッドと同年代だと思うのですが、私の中では割とこの二人は被るのです。現在はグリーンウッドに先を越されていますが、こういうB級作品で活路を見出せば、案外もっと年齢が行ってから再評価されるような気がしました。

すごーくすごーくすごーく楽しかったし上出来だけど、期待値以上かと言えばそうでもないかな?満足感は充分あったけど、とてつもなく面白かった、観たこともない映画だった、というのではありません。おめーなんか、早く死んじまえ!という人間はちゃんと死に、この人は死んだらホロっとくるぞ、と思う人はその通りに。エロ・グロ・バイオレンス・ユーモアに、わかりやすい軽いドラマも取りこんでおり、その辺も「グラインハウス」のコンセプトなんでしょうね。ガハガハすごく喜んで観ましたが、一番印象に残ったのは、肩の力を抜いて作った、ロドリゲスの監督としての技量でした。

09月29日(土)
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