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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ゾンビ」(布施ラインシネマ・ワンコインセレクション)
ゾンビになったであろう恋人スティーブンを捨てて、逃げる提案をするフランは、お腹の子を思う気持ちがそうさせるのでしょう。フランだけ逃がして、「ここに残りたい」というピーターの言葉は、辛辣だけど一番冷静でリーダー格だった彼だけに胸を打ちます。しかし土壇場で逃げようとするピーターには、もっと感動させられます。どんなに絶望が覆いかぶさっても、一筋光が見えたなら、人はやはり生きなければならないなぁと、「ゾンビ」で教えてもらいました。ピーターを演じたケン・フォリーですが、白人の中で黒人がリーダー格役を務めるのは、当時としては珍しかったと思います。期待に応えて、四人の中では一番その後活躍したみたいです。

ゾンビという映画史に残るモンスターを描きながら、人間の怖さ優しさ、弱さもたっぷり描けているという、傑作の冠に恥じない作品だなと今回再認識しました。制作より30年ほど経っていますが、全く古さも感じませんでした。お近くの劇場で観られる機会があったなら、是非足を運ぶ価値充分の作品です。

08月13日(月)
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