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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「デイジー アナザバージョン」(布施ラインシネマ・ワンコインセレクション)
ヘヨンがジョンウを自分の恋しい人だと間違うのはまぁいいのですが、ジョンウが自分の正体を明かすとき別れは決心しているんですから、刑事だという事の他に、「君の恋しい人は僕ではない」と何故言わない?ほんまに中途半端な男やで。パクウィもここまで接近しているなら、殺し屋稼業は内緒にしていても、花を届けていたと告白出来ないのは説得力が薄いです。
それと健全な20代半ばから30前後の男女が、一度抱擁場面があるくらいで、キスもしなけりゃエッチなんてもっての他!という作りです。あの「冬ソナ」はそういう作りだったらしく、そういうところが人気を呼んだそうですが、これも普通ありえんでしょ?お伽話にしたいのなら、設定からやり直ししなくちゃ。それと亡くなったジョンウの墓が何故オランダに?赴任地で死んだなら、普通お骨は本国へ帰るもんです。生前に遺書にでも書き留めたんでしょうか?この男、アホなだけではなく、親不幸もんやったんやな。
その他全体に各自独白がかなり多く、それで説明しようとするので、情感の盛り上がりにに乏しいです。それにまぁなんつーか、刑事も殺し屋も職業的意識があまりに低すぎて、公私の葛藤がみえないのも気をそがれます。ヘヨンは運命に翻弄されて可哀想でしたが、憂いをたたえたチョン・ジヒョンはあまり魅力的ではなく、脚本のお安さがヘヨンの造形にも影響を及ぼしたのとともにが残念でした。
美女が思い人を間違ってそのままお話が進むのは、チェン・カイコーの「プロミス」に似ていますが、たくさんの映画好きを魅了した腕には遠く及ばず。図らずも売り出し中のチョン・ウソンも、まだまだチャン・ドンゴンには追いつけないのも感じてしまいました。このプロットなら汚れのないファンタジーっぽい作りではなく、滑稽なコメディで面白くてやがて哀しき、という作りにして、人を愛する切なさを滲ますやり方が良かったんじゃないでしょうか?
08月02日(木)
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