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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「華麗なる恋の舞台で」
アネット・ベニングは大好きな女優さんです。確かに美人ですが個性に乏しい容姿を逆手に取り、どんな役でもこなしてしまう人で、今回も「芸と美貌があるんだから、何でも許されるのよ」のジュリアは、一歩間違えれば傲慢に映ってしまうはずですが、エレガントさと美しさと貫禄、カマトトではない中年女の可愛さとで魅了されます。低めのハリのある声が舞台映えし、舞台場面をもっと観たかったです。しわしわの首、ハリの失われた素顔、お化粧を落しかけのアイラインの滲んだ目元なども映し出すのですが、反って華麗な舞台姿が魔法のように思えて、女優の凄みを感じさせます。

脇役も、軽めに演じるジェレミー・アイアンズはとても楽しそうで、息子から「パパはロンドン一の美男子でいることしか興味がない」と言われるシーンでは、思わず一人で忍び笑いしてしまいました。メイド役のジュリエット・スティーブンソンとジュリアが憎まれ口を叩き合いながら、信頼し合っている様子が微笑ましかったです。女同士の気兼ねのなさを、毒舌と親愛を滲ませて描くのは、なかなかに知性の必要なものです。こんなのどっかで観たなぁと思い出したのは、大河ドラマの「毛利元就」の、松阪慶子の杉さまと侍女の松金よね子でありました。美人中の美人の松阪慶子が、「女は顔じゃ!」が口癖の杉さまを演じて全くいやみがなく、人ととしての器量は大物なれど、人間が出来ていない様子は、ジュリアと瓜二つ。ちなみに私は大河ドラマの登場人物では、この杉さまが一番好きです。

若いツバメはちっとも羨ましくなかったけど、私もブルース・グリーンウッドみたいな渋い中年の二枚目の、プラトニックラブの彼氏(ここ重要ポイント)なら欲しいなぁ。もし日本でリメイクするなら、ジュリアはやっぱり大地真央?彼女は皺々の首や素顔は見せてくれそうにないので、無理ですね。私は変化球で最近母性を感じさせるピーターを支持。面白いのが出来ると思います。

03月17日(土)
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