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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「太陽」
意外な好演に感じたのは、皇后役の桃井かおり。彼女は皇后様ではないでしょうと思っていましたが、場面が少なかったですが、長く男子が生まれず側室を勧める側近に、「長子(ながこ・皇后様の名前)がよい」と、決して側室を置かなかった天皇の心が伺えるような仲睦まじさで、夫を陰ながら支える良き妻ぶりでした。考えれば生まれた子を自らの手でお育てになるようになったのは、今の天皇陛下から。それまでは乳母に育てられていたはずで、昭和天皇にとって皇后は、普通の妻以上の存在であったのかもしれません。
時々睡魔に襲われましたが、それは戦時中であるにも係わらず、静々淡々と毎日が進む天皇の暮らしぶり観て、ゆったりした気分になり、頭からアルファ波でも出ていたのかも知れません。
昭和天皇というと、戦争責任云々が取り沙汰されますが、ソクーロフは責任はなかったという見解のようです。少し奇妙な感じはしますが、好人物に描かれていて、まずは良かったと思います。連合軍兵士が天皇のスナップ写真を撮る時、「チャップリンそっくりだ」と口々に囃し立てますが、当時は冷やかしの言葉であっても、今聞くと暖かい褒め言葉のように感じます。
10月12日(木)
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