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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「スーパーマン・リターンズ」
ロイスを演じるボスワースは、アメリカで大評判だと聞いて、正直「???」だったのですが、観れば納得。初作で演じたマーゴッド・キダーの勝気で聡明で、ちょっと慌て者の可愛さは残し、母となったロイスに暖かみを加えています。私は女性を魅力的に感じさせるのは、個人的にこの暖かみだと思っています。それをまだ23歳の彼女が過不足なく演じて、本当にびっくりしました。パートナーのリチャード(ジェームス・マースデン)の気持ちを気遣う慎ましさと、抑えきれないスーパーマンへの情熱的な部分の演じ分けも充分。オーランド・ブルームと付き合っている新進女優とだけ認識していたのですが、大変な好演でした。

ルーサー役のスペイシーですが、う〜ん、もちろん演技派スペイシーに、別に文句はなかったのですが、もうちょっとお茶目さんでも良かったかと。憎々しさがいやに目立つルーサーで、初作のハックマンはもっと愛嬌があったような。主役二人が初作を踏襲した上で新鮮味を出しているのに対し、少々違和感があったのかも。代わりと言っちゃなんですが、愛人役のキティを演じるパーカー・コージーが、その古臭い衣装や髪型のせいか、私は白川和子に見えてしょうがなかった。役柄も悪役で頭も少々軽いながら、情の濃いところを見せるなども、和子さんにそっくり。そして最後に出た行動も、むか〜し彼女が出ていたドラマでしそうな、深情けだったんですね〜。パーカー・コージー、覚えておこうっと。

スーパーマンがスーパーマンとして再生する様子は、きっと今まで幾度も映画で描かれた内容でしょう。でもそれでもいいんです。人が自分の使命を真っ当する苦悩に超人も凡人もなく、乗り越えた時の清々しさと達成感は共通のはず。それを観て観客も、幾度も来る人生の憂鬱や試練を乗り越える糧になったらいいですね。それは映画の素晴らしさの一つでは、絶対あると思います。


以下ネタバレ











ロイスの子供は、スーパーマンとの間の子なのでした。父親が父親なので、この子もスーパーチャイルド。それで何故リチャードとは婚約のままなのか、スーパーマン不要論みたいな本を書いたのか、理解出来ました。リチャードがいい人で感激。瀕死のスーパーマンの元に「会っておいで」と送り出す様子に、パートナーとしてのプライドも感じさせました。ラストの事情がわかってからの二人の様子も、あの情熱見え隠れから、安定した友情に変わるだろうなと感じさせ、大人な締めくくりだなぁと、どこまでも気持ちの良い作品なのでした。

08月25日(金)
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