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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ホテル・ルワンダ」
日本で公開が危ぶまれていると聞き、感動はあっても映画的には面白くないのかと思っていましたが、とんでもない。ポールたちは?ツチ族は?ああ言いながらも何か方法はと考える大佐は?そしてルワンダという国はどうなる?と、次々サスペンスと言っても良いような息詰る展開で、娯楽色もたっぷり。行き詰る中感情も痛く刺激されるなど、社会派娯楽作として、一級品です。何故これがオクラ入りだったのか首を傾げると、とめさんとも語りました。

虐殺の様子は過剰に演出せず、たくさんの死体を見せるに留まり、流血は少なめです。しかし政府のラジオ放送で、何度も「ゴキブリのツチ族」と流され、冷酷で卑劣なこの言葉は、流血シーン以上の深々とした恐ろしさを感じさせます。しかし悲惨さばかりではなく、褐色の肌のルワンダの人々は、その容姿からひ弱さよりたくましさや力強さを感じさせ、観ながら希望が抱きやすかったです。これが白人だと、絶望的な気分が先に立つかと思いました。

私が中3の時の社会の先生は50半ばのはげ頭の先生でした。人種差別の話になり、「差別をなくすのは異人種での結婚を促し、混血の子供をたくさん作ること。」と授業中にお話されたのを思い出しました。その時はそんなものかと思った私ですが、ポールと妻は別の種族です。妻がツチ族でなかったら、彼は同じ行動を取ったかな?と思います。30年経って、やっと先生の
言葉が実感として理解出来ました。お元気なら、このことを伝えたく思います。公開の劇場は少ないですが、是非足を運ばれることをお薦めする作品でした。

02月15日(水)
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