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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「あんにょん・サヨナラ」
私が涙が止まらなかったのは、父の死後いかに母とヘジャさんが苦労したか、夫を父を恋しく思った姿と、兄の合祀取り下げを要請している老婦人が語る、息子を戦争で失った自分の母の哀しみを語るときでした。誰にも理解出来る同等の哀しみに、国の違いはありません。歴史観には様々な認識がありますが、事実はたった一つではないか?まず事実を見ることが大切なのではないか、そう感じました。

阪神大震災の時来日した時は、「犠牲者の冥福を祈る。しかし日本に罰が下ったのだ」とすさまじい言葉を吐いたヘジャさんが、韓国が国益重視のため、戦後の苦しみから抜け出せない自分達を見捨てた中、支援してくれる多くの日本人と接するうち、「日本を許そうと思う。日本にもたくさん良い人がいる。」とまで変化します。そんなたくさんの日本の人がいることを、私は全く知りませんでした。マスコミも伝えていないと思います。

お互いがお互いを理解し、被害者側加害者側が手を携えて乗り越えていくことで、真の平和は来るのだというメッセージを作品から受け取りました。愛国心イコール軍国主義のように受け取られがちですが、本当に自分の国を愛し平和を愛する人は、他国の人が自国を愛する気持ちを尊重するはずです。

この作品の韓国人が日本一たくさん住んでいる生野区での上映に尽力されたのは、車椅子の在日の方でした。私がアンケートを記入している横で友人とお話されていましたが、「日本の人がこんなに韓国人のために頑張ってるのに、俺らもなんか頑張らなあかんやろ。」と笑顔で話されていました。そう私も頑張らなくちゃ。お互いの国の人を真に理解してもらうよう努力するのは、在日の義務なのだから。上映形態は自主上映で、金額的には観客動員一人につき、500円のバックだそうです。私の感想を読んで自分の街で是非上映したいという方がいらっしゃれば、とても嬉しいです。以下に神宮寺さんのサイトと、「あんにょん・サヨナラ」の公式HPを記しますので、よろしくお願い致します。


「神宮寺表参道映画館」

「あんにょん・サヨナラ」

11月24日(木)
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