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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ALWAYS 三丁目の夕日」
この作品では触れられていませんでしたが、常に他人と寝食を過ごすと言うのはすごくストレスが溜まることで、うちの親は夫婦仲が悪かったこともあり、子供の頃にあまり良い思い出はありません。しかし、ミゼットの荷台に乗った鈴木母子に、働いているお兄ちゃんにねだり、軽トラの荷台に妹と乗って走ってもらったことを思い出し、いっしょにお正月を迎えお年玉をもらったり、会社の慰安旅行についていき、泳ぎを教えてもらったり、この作品は不思議と私に楽しい思い出ばかりを浮かばせます。そういえば物が飛び交うすごい夫婦喧嘩をする両親を止めようと、妹が寮に助けを求めに行ったのを、家の恥だと私が妹を連れ戻しに行けと母に言われ、泣きながら寮に行ったこともあります。あの時のこと、Nさんは覚えているかなぁ。

時代が進み、家と工場が完全に離れて、我が家がちょっとした邸宅になった時、派手な大喧嘩をしていた時はまだましだったと思える、底冷えのする関係に両親が突入したのを覚えている私は、何でも買ってもらえる本当の親が現れた時の淳之介の選択は、すごく正しいと思えるのです。一番大切なものはお金や地位では買えないのですから。今も昔も変わらぬ「良き心」を観客に伝えるのは、この希望に満ちた時代が良いと選択されたのでしょう。常識は時代と共に変わっても、良識は普遍なのではないでしょうか?韓流ブームと相反する嫌韓ブームもチラホラ聞こえる今、庶民が一つになって朝鮮半島出身の力道山を応援する姿を挿入したのも、もしかしたら意味が込められているのかも知れません。

11月08日(火)
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