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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「パッチギ!」
井筒監督は、私は割りと好きな監督なのですが、こんなにデリケートに在日の心をすくい上げて描いているのには、本当にびっくりし、そして大変感激もしました。今春私の甥は、本名で公立中学の先生になります。友人の息子さんは、大手私鉄の入社が決まりました。在日の帰化も多くなっていますが、反面マスコミ関係を中心に、本名で仕事をする人も多くなっています。
表向きは格段に差別も減っています。気がつけば私の兄弟も、兄二人は家族と帰化し、日本の人と結婚した妹も今は日本人。夫の妹二人も家族ごと帰化しました。合わせて8家族のうち、夫の兄家族とうちの家族だけが韓国人です。

この作品は、私は上手に在日の気持ちを描いているし、日本の人に反省を求めている作品とは感じませんでしたが、一方的に在日寄りの作品であると言いきった感想も多く、少々ショックです。何故帰化しないのかと問われたら、こういうことにショックを受ける自分がいるからです。日本人になったとて、韓嫌派の人の心無い言葉を聞くたびに、あぁ日本人になって良かったと安堵するのではなく、怒りを感じる自分がいるでしょう。その時私は自分の出自を捨てた人間だと、きっと別の葛藤が待っているはずです。この作品にキング牧師の話が出てきますが、アメリカの黒人問題に比べたら、在日なんてまだまだ歴史は浅いです。私は韓国人のまま、社会に自分が何を貢献出来るか模索しながら、日本に溶け込んで生きていくつもりです。あと30年後40年後、そういえば在日って差別対象やったんやなと、振り返る日がくれば、私は日本人のお婆さんになっているかも知れません。きっと未来は明るいぞ!

02月27日(日)
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