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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「エイプリルの七面鳥」
その他家族と会うのをためらうエイプリルを、ずっと後押しして支えていたであろう恋人ボビー、良妻賢母の妻まかせだった家庭を、死期の近い妻のため大黒柱として踏ん張ろうとするパパ、息苦しさが包む家庭を、風通し良くする飄々とした弟、優等生で頑張り屋なのに、ママの愛を独占出来ずエイプリルに嫉妬する妹など、エピソードや細かい描写などで、よくも80分の中にきちんと整理出来たなと、本当に感嘆してしまいました。個人的にはママの実母が痴呆気味という設定に切なさと優しさを感じてしまいます。子が親より先に逝ってしまうほど、親不孝はありませんから。

サスペンスの後のラストは予測通りですが、その様子が一枚一枚スライドのように表現され、あざとさがなく好感が持てます。それはやがて亡くなるママとの思い出になるだろうと理解出来ます。

映画は時間やお金ではないなあと、今日は本当に思いました。私も母親がガンで亡くなっているので、今日はちょっとしんみり。勝手に離婚して、親兄弟と縁を切って、まだ幼児二人を抱え夫に気兼ねしながらの私に、難題や世話を全てしょいこませておきながら、口に出して心配するのは結婚していなかった妹のことばかり。襟首掴んで、あんたそれでも母親か!と言いたかったのを何度飲み込んだことか。上の二人が何とか大人になった今、もし私がガンになったら、私の頭は末っ子の心配だらけのはず。今になって母の気持ちがわかります。夫に抱かれてたしなめられるクラークソンを見て、夫のいない母の心細さを、察してやれなかった自分を悔いています。本当に襟首掴まなくて良かった。

01月27日(木)
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