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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「僕の彼女を紹介します」
ここまで読んだ方、観る気失くしますよね?でもこの作品から私は、上に書いたことを全部不問にしてもいいほど、もう一度あの人に会いたい、いっしょにに過ごしたいという、人を愛する気持ちの美しさや切なさに、思い切り涙しました。それも過去を忘れられないという、人を愛するという誰もが持つ感情で、転じて人間の強さまでも感じてしまいました。薄氷を踏みながら歩いていて、冷たい湖に落ちてしまったような感情、薄皮をむくように、曇っていた心に光明が差す表現など、非常に上手いです。
今年日本中を席巻した韓国映画ですが、民族性なのかこの作品と同じく、人の感情のひだを、過剰なまでに煽る作品が多いです。しかしそれが幅広い層に受け入れられたということは、人付き合いの中での、カジュアルで薄い心の行きかいに寂しさを感じ、もっと本音でぶつかりたい、そういう方も多かったからではないか?左右前後、年齢の幅のあるたくさんの女性観客の涙する姿に、ふとそんなことを思いました。
ある種ハッピーエンドで終わるラストも清清しく、ラブコメ・メロドラマ・ガンアクションとてんこ盛りのストーリーも、見方によればお正月のおせち料理かもしれません。但しこの作品を好きな人も、私のように出来が悪いのは重々承知の人ばかり。これは作家性以前の問題だと思います。ポン・ジュノのように、知性があり洗練された若手監督が出てきている韓国、うかうかしていると置いていかれてしまいます。クォク監督、次回作に期待しています!「猟奇的な彼女」ファンの方には、ラストに嬉しいプレゼントあり。ジヒョンにゲロを吐かれたおじさんが、今回も特別出演?しています。前半で出てきますので、お見逃しなく。
12月16日(木)
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