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龍神様のささやき
by 龍
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■どんと焼き
「どんと焼き」という行事をご存知でしょうか。正式には左義長(さぎちょう)と呼ばれる火のお祭りとなりますが、地域によってはどんど焼き・さいと焼きなど、様々な呼び名がございます。
長い竹を何本か組み立てて三角の山のようにし、そこにお正月飾りであるしめ縄・しめ飾り・門松や、書初めで書いたものを持ち寄って焼くお祭りと言えば、名前が異なっても思い当たる方は多いのではないでしょうか。

その名前の由来は、小正月(1月15日)、平安時代の宮中の庭で青竹を束ねて立て、そこに毬杖(ぎっちょう)を結び、その上に扇子や短冊を添え、陰陽師が謡いながら焼き、その年の吉凶を占ったと言われている行事がございました。
その結んだ毬杖(ぎっちょう)が三本であったことから、三毬杖(さぎちょう)と呼ばれ、今は広く一般の方にも伝わり、現在の形になったとされています。

そしてその年の神様、「歳徳神(としとくじん)」を祭るならわしが主であった地域では、どんと・どんど焼き、とんど(歳徳)焼き、などと呼ばれるようになったと言われています。

一般に、その火で焼いた餅を食べると一年間病気をしない、火に当たると若返る、書初めを焼いて炎が高く上がると字が上手になる、などと言われています。また、お正月飾りでお迎えした神様を、炎と共に見送る意味があるともされています。(昔は暖かい春の到来と、その年の豊作を願った意味もあるようです。)

今は祝日の制度が変わり、小正月である1月15日が成人の日(祝日)では無くなってしまった為、すでにどんと焼きを行われた地域があるお話も聞きますが、前回の「七草粥」の話でもお伝えしたように、今年も皆様が病気をせず健康に過ごされる事を願い。また豊作とは行きませんが、幸せの多い一年となれば幸いです。

追伸
文中で出てきた毬杖(ぎっちょう)について。本当に大まかにお伝えするならば、ゲートボールで球を打つ木の杖のようなものであり、木製の毬(まり)を相手陣に打ち込む、平安時代の子供の遊びと、上記の杖の事を言います。
ちなみに、左利きの人が毬杖(ぎっちょう)を左手に持った事から、「ひだりぎっちょう、ぎっちょ」という語源に繋がった、という説がございます。
01月13日(土)
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