ID:102711
声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■凄いなぁ・・・
ケダモノにはご用心の全サCD
やっと聴きました。このCDのインナースリーブはドラマ部分の台本になっていて、それを眺めながら本編(短いドラマです、正味4分17秒)を聴くのは非常に興味深かったです。ついつい、学生時代に自分たちで台本も演技も録音もやってましたので、あの時の雰囲気を思い出して、自分なりに頭の中でこんな感じかなって演技を先に想像しながら聴いてしまいます。そして自分の想像の数ランク上を行く二人の演技に、ただただ呆然。
演技の距離感の作り方、二人の間合い、特に掛け合いの間、声の抑揚の入れ方、どれもこの通り一遍の台本が、本当に面白くて素敵なドラマになるのに、敬服。これ、声優学校の教材にしたら面白いんじゃないかなって、ふと思ってしまいました。生徒にさんざんいろいろ試行してもらって、最後に、この本役の二人の演技を聴かせると(意地悪だなぁ)・・・きっと生徒さんは、彼らなりに相当にがんばって演技したはずなのに、最後にこの二人がさらっとやってのけるお手本演技を聴いて、相当に愕然とすると思います。それぐらい二人のキャラの作り込み加減のすばらしさ、アイデアの豊富さ、そして演技の上手さが凝集してます。たった4分強、本当にたわいもない話ですが・・・
櫻井君の上手さは感情の入れ方、動作の表現の仕方、さすがに何を感じてどんな風に動いているかが手に取るように解ります。そして、森川さんの凄さは、櫻井君よりさらに一日の長が有る分だけ、櫻井君の凄さプラスアルファが有ることです。改めて、ため息ものなのが解りました。
今回は私自信もストーリィを追いながらドラマを漠然と聴く、というのではなく、目の前の台本に注目しながら二人がこれをどう解釈してどう演じるかの技に傾聴して聴いていたので、よけいにその想像力の豊かさと表現力のすばらしさに、改めてびっくりしたのです。とくに鳥肌ものの台詞が何カ所かありました・・・ひとつひとつの台詞の中での起承転結、つまり台詞の緩急の付け方、相手の台詞の受けるタイミング、相手の台詞に入れるちゃちゃ(このドラマの4分強の時間で、森川さんは数カ所にちゃちゃ息を入れてましたが、櫻井君はちょっとそのチャンスは逸した様子)。櫻井君の癖なのか、どの台詞もだいたい同じテンションで入り、台詞が始まってからいろいろ緩急をつけるというやり方で、その部分にはまだ彼の演技に進化の余地が残ってますが、森川さんはもう、変幻自在、間合いも緩急も強弱も思いのまま、まさに連太郎を振り回し翻弄してもてあそんで居ます。SEでの双方の息芝居の交錯加減。どの短いセンテンスとっても、キャラが立っていて、それぞれの持ち味が存分に出ていました。本当に素晴らしいプロの技。
これが本編ドラマでは60分とか続くわけですから、声優さんの演技の集中力というのは本当に凄いです。想像するだけで鳥肌ものです。

さて、続いて本編より長いフリートーク。(以下ネタばれあり)
二人で楽しく和気藹々、森川さんがぶっ飛ばしていて、櫻井君が笑いっぱなし、というこのテンポ、この二人ならではの雰囲気です。
本編での、レイと一明の対決(そんなシーンがありましたね)に関して、森川さんは大蛇対マングースだって形容しているのですが、どっちが大蛇でどっちがマングース?櫻井君もおなじ思いで突っ込みかけて、どうやら大蛇はな・・・って言いかけましたが、自粛(笑)、森川さんは自分をマングースに例えたの?(笑)
このフリートークでは、事前に集めた質問に答える形式。質問で、悪役と良い役とどちらがやりやすいかという問いに対して、森川さんは仕事の量もやりやすさも悪役(笑)とのこと、櫻井君はまだ良い人の役が多いみたいです。ここら辺は声の質、演技の傾向、そしてキャリアの違いだと思います。確かに、森川さんはアニメでは悪役というかクールな仇役が多いですね。

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10月31日(火)
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