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声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■季節外れの大雪・・・映画感想長いです
バベルのブラピも絶品でしたが、色気は不足、でもこっちのレオちゃんは、若さもあり、したたかさもあり、繊細さもあり、色気もあり、やさぐれて心は荒みきっていたはずなのに、なぜか関わった人たちによってどんどん乾いた部分が湿ってきてしまい、最後には本当に心が愛に動かされていく青年の素晴らしい演技で表現していて、彼の過去の全作品をみたわけではないですが、見たことのある作品の中では最高の出色の出来でした。これ、オスカー候補は手放しで納得。ついでを言うなら、インファナルもといディーパーテッドではなく、こちらにオスカーを上げるべきでったのではないかと思ったり
(やや、ラストに向かって脚本力不足というか設定の甘さが露呈している感じで尻つぼみ感があるので、ここがアカデミーで最後まで押し切れなかった理由かなって思えたりもしますが・・・)
レオちゃんの損してるところは、童顔、無精ひげつけても、可愛いんだなぁどうも(笑)。今回、彼に初めて目力を感じたのですよ、感情を目だけで上手く表現できていて、言葉はきちんとジンバブエ(ローデシア)訛りになっていて、変な発音の英語をぺらぺらすらすらとしゃべるのがまたキュート、そして・・・

映画の概要です。
ナイロビの蜂のようなアフリカの内戦を利用して巨万の富を稼ぐ欧米企業の告発でもあり、ホテルルワンダなどのような、アフリカの病める内情を訴える作品でもあり、すばらしい脚本と演出でした。
カメラワークはハリウッドならではのスピード感とスケール感、戦争物らしい迫力もあって、残虐シーンもあるので(そのものは見せませんが)刺激の強いの苦手な人は無理かもしれません。
しかし、最近見た作品ではバベル(はブラピだけですから、笑)よりも、同じくレオが主演で出ているディーパーテッドよりも、ずっとずっと良かったです。
重い話ですが、あくまでもレオ演じる孤独な青年(31歳の設定らしい)の、生き様と視点、そして同じぐらいの年齢の被害者側の青年(ジャイモン)の視点を通しての描写は、人の感情にとても訴える純粋な感動があって、最後の方はもう大泣きしてしまいました。

舞台は内乱の荒れ狂うアフリカのシエラレオネ。
政府が産出したダイヤを独占するため輸出禁止して以来、密輸が暗躍、そこには反政府ゲリラや傭兵軍団も絡んできて、利権や思惑が入り乱れる。
政府軍と反政府軍のいざこざが血みどろ内戦状態。
軍備に必要な資金調達のために、ダイヤモンド鉱山で強制労働させられる市民。
もう一人のかわいそうな主人公のソロモン(助演男優賞ノミネートされてましたねぇジャイモン・フンスー)は普通に家族を愛する漁師さん(ジャイモンはまさに七変化の演技派)。反政府組織RUAに拉致され、家族と引き裂かれて強制労働させられ、その作業中に見つけた巨大なピンクダイヤを採掘現場近くに隠したことが事件の発端となる。ゲリラのリーダーにそのことを知られ殺されかけたところに政府軍の急襲に会って全員拉致される。
拘置所で出会ったのが、傭兵崩れのダイヤ密輸人である、アフリカ生まれの白人アーチャー(レオ)。
アーチャーはソロモンに目をつけ、ダイヤを自分のものにするためにソロモンを仲間に引き入れようと画策を始める。
一方、この現状を報道しようと、戦場を取材している女性記者(ジェニファーコネリー)。
ひょんなことで、彼女をナンパしてしまったアーチャーは、正体がばれたあとも、ダイヤを入手するための交換条件としてソロモンの家族を探し出すために、彼女を利用しようとする。
家族探しのために3人で行動を共にするうちに、生き残るだけで必死だった生い立ちゆえに、心が荒れすさんで利益しか追い求めていなかったアーチャーの心が(あれ、これって水天宮さんみたいだわ・・・・びっくり、同じですよ、そっくり)、二人の普通に純粋な愛する心を持つ人に接するうちに、だんだんと感化されて行動基準が変わっていく様子、心が開かれて行く様子が、これまたジーンとします。
最後はきっとそうなると思って観ていたので、ちょっとベタな終わりでしたが、それでも普通の映画マニアでもバケツ3杯、レオファンならばバケツ10杯は泣けます。

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04月12日(木)
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