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声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■彼を変えた男たち
そんな森川さんの吹きえでも、初期の頃は高音まくしたて系のコメディからはじまり、中音癒し系の若い2枚目が結構沢山、そしてだんだんと増えてきた低音びんびん系の2枚目ヒーロー、最近ではとうとうナイスミドルまでが役のバリエーションに加わり、まさに自由自在になってきました。
しかし、今の彼が一朝一夕で築き上げられたわけではないく、彼の一昔前の低音系吹き替え演技をみると、例えばハムナプトラ1や2での低音演技は、今の森川さん比べると、かなりぎこちなかったなぁと、表現力のも足り無さというか演技に硬さを感じるなんて、今だからこそ言えます。
この頃はまだ、年齢的にも若くて、もちろん彼の地声が本当は結構テノールに近い高めなのもありますが、まだまだ吹き替えでの低音での演技経験が少なく、安定して出すのに苦労していて、演技にまで完璧には手が回っていなかったのかもしれないなぁと思うのです。
じゃあ今は、年齢が加算されたから低音が出しやすくなって演技がやり易くなったのか、といえば、それも大きな理由ではあると思いますが、それだけで割り切れる単純な問題ではなく、実は森川さんの吹き替えでの生き残りを賭けた、相当に徹底的な特訓の成果なのではないかと思うのです。
吹き替えでの良い役は圧倒的に低音系ですから、吹き替えで将来ともに2枚目正統派で活躍するには、綺麗な低音での良い演技が必要なのではないかと思います。
そこではたと気がついたのが、絶大なる出演本数のBLです、吹き替え以上に、音だけのドラマでいい男を表現するには、綺麗に響く低音での演技が要求されます。彼はそんな役柄に需要が高く、それを沢山演じてきているのですから、BLでの攻め役の演技経験が、それ以外のジャンルの低音演技の充実へと繋がっているなぁと思うのです。
勿論、それ以外にも、海外TVドラマシリーズ(ダマグレやスタトレ)での一つの役での低音演技を数年間継続して演じられた経験は、この音域での安定した演技を体得するのには恰好の経験だったと思うのです。
やたらにカッコイイ低音攻役を、自分の間で演じられるBLドラマと、同じ声でずっとさまざまなシーンを演じること数年という海外ドラマのレギュラー。これら演技の基礎を固めさらなるスキルアップへと繋がる土壌を養えるような役に恵まれてきた事が、今日の超カッコ良くてナチュラルなキアヌやポールウォーカーなどなど、吹き替えでの素晴らしい男前演技に反映されているとのだとしたら、これは凄いなぁと思ってしまいます。
そしてまた、吹き替えで経験する幅のある表現が、これまた逆にドラマCDでの表現力に生きる、そうして彼はドラマCDで帝王へと登りつめると同時に、吹き替えでもスターの座の一角を確保できたんだと思います。
今後も、彼が自分の武器を大事に維持して、その演技力を磨き続ける限り、いい男の演じる役者さんの中では最強(強者ども)の一角に君臨し続けることができると思うのです。
モリモリ、がんばれ!!

06月20日(金)
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