ID:102711
声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
[857908hit]

■爆音の彼方で聞こえる音の世界・・・
ヘッドフォンで音楽を聴くとき、標準(普通の聴覚の人が並々なレベルで録音された音源を聞く場合)はだいたいボリュームを3ぐらいですか?まあ、聴力には個人差あって、私は長年のメタル生活で(爆)たぶん通常の方より難聴気味で標準が4ぐらいですが、友人なんかは2〜3じゃないかなぁ・・・ドラマCDとか聴くレベルを標準とします。そのレベルで音楽も聴いて、なんら不具合は感じないし、綺麗に聞こえると思うのですが、ポップスなんかは、それでも良いですが・・・・
さて、ここから先は、メタラーのたわごとなんですが、ライブに行ったことがあれば、ライブ会場の音のレベルが結構大きいのをご存知と思いますが、音楽関係やってる人は大体難聴です(笑)。でもこれは本当に職業病みたいなもので、爆音聞きすぎて難聴の人も居ますが、痩せた音では満足できなくて、ぶっとい骨のある音が好みになってしまっていて、小さな音量で音楽を聴いたのでは物足りない、そういう嗜好なんだと、そういう意味で難聴なんだと思います。
で、ここで再生レベルを3前後から一気に7とか可能なら8〜9あたりにするわけです。
慣れてない人は、もうそれは耳が痛いだけで、頭がおかしくなってしまいますから、いきなり8とかは危険なんで、ためしに5〜6あたりにして耳を鳴らしてから、異世界に踏み込んでもらいたいと思うのですが・・・
とにかく、ボリュームレベル2〜3あたりで聴く音楽と、ボリュームレベル8前後で聴く音楽は、似て異なるもの、別世界の別音源と言っても過言ではありません。

スタジオで音楽に携わっている本物のプロの方々は、聴力が超人的に訓練され発達していて、爆音の中であっても、各パートや音程の微妙な変化(ピッチのずれやリズムテンポの乱れ)、すなわち音場の絶妙な機微を詳細に聞き分けているので、そんな方々が作っている音楽は、爆音で聴いても小さな音で聴いても綺麗に気持ちよく聴けます。まあ、彼らが聴きながら違和感を感じる微妙なピッチのずれリズムの乱れは、大概科学の力で直してしまったり、場合によっては、そのブレが味わい深いアンサンブルになるようにバランスさせたりと、操作してしまった後の音源なわけですが・・・で、そういう音源というのは、実はボリュームレベルをがっと限界近くまで上げることで、どんどん音が骨太になって、割れるどころか、どんどん隠されていた細部があらわになって全貌を現します。

音のダイナミックレンジの話でいえば、再生装置のボリューム範囲内での音圧のレベル差なんて、それほど大きくはないのですが、それでも、レベルの低い領域での、たとえば0〜3などの狭い範囲でのたとえば0.1程度の変化は、微妙に小さなレベルでのわずかな変化なので、音そのものが痩せてしまっている状態だと掴み難い場合が多いのですが、ここで再生レベルを上げて、音の再生可能範囲(レンジ)を広げてやると(たとえば8ぐらい)、凄く大きいところから小さなところまで、かなり微妙な変化を感じ取ることが出来る、3での0.1の変化と8での0.1の変化は、耳で聞いていても、感じ取れる内容が微妙に違って来る、そんな世界です。
これは、すこし訓練しないと、大きな爆音のバックにかき消されて、微妙な(一番凄いのがヴォーカル、そして次がギター)の変化を聞き取れないことになってしまいます。
しかし、一旦耳が慣れて、そういう微妙な音の変化を体の芯で感じ取る(頭の奥かもしれませんが、感覚的な話です)ことができるとようになると、それはもう、すばらしい音楽による脳内マッサージにも等しく、爆音の中に浮遊しながら味わう、微妙なマッサージの指加減の刺激がたとえばボーカルの息遣いなんですが、それを指圧の加減のように耳の奥で絶妙な息遣いを味わえる、そんな音楽に出会えば、悶絶するほどの快楽に酔えるのです。全身の5感をすべて、耳で鳴っている音のすべてを1本1本たどりながらも、すべての絡まり合いの快感を味わいむさぼりつくす。そんな聴き方をすると、音楽ばBGMではなく、音楽こそが自分の存在のすべてとして味わえる世界に入れます。
いわばお風呂に入りながらマッサージを受けている、そんな感覚に浸れます。
ただ、悲しいことに、素人録音では、ボリュームを上げるとただのラウドノイズになってしまいます。

[5]続きを読む

10月25日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る