ID:102711
声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■誠実派(2)
森川さん普段があんな風に本人キャラもアニキ系で男らしい強い意志のある印象を与える空気を身に纏っている人なので、そんな雰囲気の人から泣く場面というのはなかなか想像できないだけに、作品でのマジ泣きのナチュラルな演技には意外性もあって痺れてしまいます。
というか、一途で誠実な男の人が泣くと、女はもれなく全員同情しまくっちゃうと思うので、有る意味罪な泣きです。

つづいてもう一回「公使閣下の秘密外交」を聴きました。

BLCD「公使閣下の秘密外交」
白石智宏:浜田賢二
吉永孝司:森川智之


若くして出世街道をばく進している謎多き美貌の吉永公使に魅せられ虜になって行く新人外交官の白石。
なんと公使は自分の姉の婚約者でもあったのに、二人は後戻りも公表もできない濃密な関係になって行く。
はたしてこれも総て吉永公使の計算なのか、それとも実は想定外の事態なのか・・・

とにかく、先に聴いた作品で森川声が帯びていた朴訥で誠実の権化のような黒石のイメージから180度転身した役所。妖艶な魅力を持ち、高い知性と気品を帯びた立ち居振る舞い、そして冷徹で高潔な美形。
こんなキャラのイメージをセリフ回しの空気だけで臭わせてくれる。
こんな風に、いかにもエリートで家柄も育ちも最初から良い美形の男、という役を演じさせたら、今の居並ぶ男性声優の中でも、森川さんは筆頭格じゃないかなぁ(平川君も品の有る役が似合いますね)。
なんだか声だけで、こんなに高貴なのに腹黒なイメージを沸かせられるのは、有る意味、職人技のよう。
とにかくどこか品があって、とても慇懃無礼なのに嫌みがない、根は誠実なのだという気配までもを、セリフの端々にちらつかせ、それなのにも関わらず、すかさず持ってる牌はまだまだアリますよと言わんばかりの腹黒さも臭わせる、そしてその容姿と空気は官能的でもあり、男も女も両方を魅了し捕らえて堕としこむ力を持つ男、それが吉永公使なのですが、まさにドンピシャです。
一方の新人外交官の白石君役の浜田さん。ドラマCDでは始めてメインで聴く声でした。
青年という存在をすこし研究してきたなっていう感じがします。

06月14日(木)
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