ID:102711
声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■本領発揮(Stay観ました)
以下少しネタバレ含みます。

トランス状態のように、うわごとなのか独り言なのかわからない言葉を発するヘンリー、現実と幻覚の間を彷徨うかのようなサム、ある時は不安であったり、ある時は確信に満ちていたり・・・二人がそれぞれ独自の世界を生きているはずなのに、ある時突然シンクロして、あたかも混ざり合ってしまったかのようになり、そして入れ替わってしまったかのようにもなり、幻惑する映像が観るものを惑わす。モブシーンは、まるでマトリクスのような仮想現実・・・すなわち誰かが見ている夢の産物であることをさりげなく表現してかのような演出でした。今回、字幕を読む必要がないので細部まで画面を観察してわかったこと、それはとりわけサムとヘンリーの時空間軸が交錯するシーンが異空間になっていることです。街頭を歩く人、行き交う人、総てが不思議な存在になっています。とにかく大学の講堂からでてくる沢山の双子や三つ子?同じ髪型服装の人が並んで連なって歩いていたり、行き交う人が総て同じようにゼロハリのアタッシュケースを持つていたり、どのシーンでも同じエキストラが行き交ってみたり、心象風景か夢の一部であることを示唆するかのような背景シーン。
そして・・・それは総て衝撃のラストに繋がって行くのですが・・・
このラストを納得できる人とそうでない人が居るのではないかと思います。
私もどう解釈するのか難しい部分もあります。そうであっても、この作品は凄く面白くて好みの映画であると言えます。

三木さん、最近急激に吹き替えが増えてますが、なるほどなと思う演技です。彼の実力がやっと吹き替えでも認められたのが嬉しいです。こういう声質と、感情のゆらぎを声のトーンで繊細に表現できる演技の出来る人って、劇団系の人ではあまり居ないタイプではないかと思います。
吹き替えで沢山活躍する劇団系の居並ぶ先輩や同期諸氏の中で、彼らとはすこし毛色が違う素直さとナチュラルさで、これまでにその地位を確立し沢山の役を掴んできた森川さんと同じく、三木さんも、この揺らぐ演技で今後は沢山の役を掴むに違いない、そんな想像を大いにかき立てる白熱の演技でした。
森川さんがいつも三木さんの演技を絶賛するだけのことはあります。
しかし、この二人のこの演技をみていると・・・ブロークバックマウンテンをこの組み合わせで観てみたかった、そんな贅沢な妄想をしてしまいます。

そう、パスコレで、森川さんブロークバックマウンテンに関するコメントを再び。相当に気合いを入れて取り組んだ様子、これほどまでに、みんなからの感想を聞きたがっているのを表に出すのは珍しいと思います。おそらく、自分としては相当に手応えが有ったのではないかと思います。共演した東地さんとも、一緒にカラオケで遊んだりと気心知れて共演しやすくなったみたいで、今後も共演増えそうです。

09月02日(土)
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