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声優さんと映画とアニメと
by まいける2004
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■ターニングポイント
以後の森川さんのキャリアの軌跡だけを追えば、行け行けどんどんの仕事量と質。1995年に初期の悩みを吹っ切って役者の演技の幅を広げ、ギャグもできる役者としての分野を開拓したあと、仕事量と質の両方が(アニメと外画両方で)爆裂する本当の売れっ子になったのが1997年頃。森川さん30才、第2の開花年。
男性の声優さんの本格的な開花が30才過ぎてからと世間で言われる、その、まさに王道を歩いている人なんですねぇ。
ワルターとアラスカのエドで役の幅を広げた後、それでも森川さんはさらに悩み続けけていた事が、最近の雑誌インタビューで明らかになってます。特に吹き替えですね。役を立たせる演技だけではなく、役に溶け込む自然な演技の中で自分をどう表現してゆくのかを、以降の彼はずっと悩み続けていたみたいです。演技の奥行きと質の向上に関しては、今でもきっと彼の悩みは尽きないのではないかと思いますが・・・
ココまで書いたので、さらに・・・
私が思うに、森川さんが次にさらにもう1つ階段を上がるのが、外画吹き替えでの1999年から2000年あたりではないかと・・・
激戦のオーデションを戦い抜いて勝ち取った役である2本の作品。
その1本がスターウォーズEP1(1999年)。1999年から以降、外画の出演作品数も激増で、このあたりからアニメと同時に外画の人にもなった転換の時期です。そして、キーとなる2本目がアイズワイドシャットではないかと・・・本人が今だに印象深い作品としてさまざまなインタビューでその名前を挙げている事実が示すように、この外画のお仕事激増に時期にあって、最も手間をかけた作品であり(収録に日数がかかったという意味でも)、しかも演じた後に、充実した満足感を得た作品だったのだろう予想できる作品です。
このターニングポイントの2本が、今に繋がるユアンとトムの作品だったのですから、運命ですね。
最近では外画の吹き替えでフィックスの役を得ることは本当に難しいみたいです。吹き替えを担当される沢山の声優さんの中でも、森川さんに近い年齢の先輩の中で、平田さんや宮本さん大塚さんなど数えるほどの方々しかフィックスに近い役者さんを持っていませんし、彼より後輩では平川さんと浪川君がかろうじてフィックスを持ていると言えるのに一番近いポジションに居ますが、それだけです。森川さんを含め、彼に近い年代で、彼に近い位置まで外画吹き替えで上り詰めた声優さんはほんの数人という状況で、その中の一人というのは、若手〜中堅声優としてはこれ以上ないポジションに居るのです。
森川さんの弱点
森川さんの出演作品のかなりをここ2年で集中してみました(聴きました)。かなりの数のアニメ、150本以上の外画、そしてもの凄い数のドラマCD。
平凡なようで、実は彼に近い声を出す人がそれほど居ないという点ですごく良いポジションに居ること、唯一無二の圧倒的なアイコンのような個性ではなが、実はこれほどの美声というのは希有な存在感を燦然と放っているのも事実。それゆえに、年齢を重ね、演技力に深みと厚みが増すに従って、どんどん美味しい良い役が回ってくるようになりました。ドラマCDを聴けば歴然、彼の役に溶け込む自然な感情表現は一級以上、特急クラスです。
あと、今後彼がさらにステップアップして押しも押されぬ超大御所への道を歩むに精進し伸ばすべき部分があるとしたら、それは感情を入れられないセリフでの臨場感だと思います。その点では先輩諸氏に一日の長を感じる場面がいくつかありました。これだけは彼の弱点と言えるかもしれません。長い説明セリフで、どうしてもこれは台本を読んでるなって思える時があるのです。
この、彼唯一の弱点である説明ぜりふを、いかに流暢に喋りきるか、これは仕事量を少し減らしてでももう少しリハーサルに時間をかけないと超えられない壁じゃないかと思います。というのも、確かに売れっ子の先輩達でも、沢山の方に同じ症状を見かけるので、決して彼だけの弱点というわけではないのです。
今後の森川さんへの注文
せっかく感情表現の魔術師達の仲間になる入り口に足を踏み入れた今、あとしばらく数年は、あまりナレーションの仕事を沢山して欲しくないと思うのです。
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01月22日(日)
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